大物を狙う投げ釣り(ぶっこみ釣り)の一般的な一本針仕掛け。
道糸に天秤(中通しオモリ)を通してサルカンに結び、そのサルカンに一本針のハリスを結べば完成というとてもシンプルな仕掛けです。
1回作れば覚えてしまいますし、慣れれば数分で仕掛けを作ることができますね。
後はエサを付けてビュンと投げるだけ・・・
なんですが・・・・
大物投げ釣りを始めた人に必ずと言っていいほど聞かれるのが、ハリスの長さ!
「ハリスの長さはどれくらいが良いのですか??」
シンプルな仕掛けだからこそ!なんでしょうけど、やっぱり気になりますよね?
ハリスの長さはどれくらいが良いの?
まずは、
仕掛け投入後のハリスの状態はどんな感じなの?
ってところをイメージできると良いですね。
知ることで理解は深まるハズですし、なによりもハリスの長さをその場で判断して対応することができるヒントになるのではないかと。
「大物投げ釣りで使われる一本鈎仕掛け」
で、考えてみましょうか。
海底でのハリスの状態
天秤を使う投げ釣り!または中通しオモリやお多福オモリを使うぶっこみ釣りと多少の違いはありますが、仕掛けは同じ一本針。
よく言われるのが、
「投げ釣り(ぶっこみ釣り)の仕掛けは、底をはわせているから太ハリスにしても食いは変わらない」という点。
ハリスの太さが魚の食いに大きくは影響しないことは確かなのですが、「底をはわせている」という点は、ちょっと疑問です!
投入した仕掛けが着底して、遅れてハリスがなじむ!
このイメージは分かるのですが、「ハリスがなじむ=エサが底にある」と勘違いしている人が多いですね。
港内のように穏やかな場所はこのイメージでも良いのですが、大型の魚が釣れるようなヨレや流れがあるポイントでは少し違います。
潮が早いときに回収した仕掛けのハリスが「どうしたらこんなになるんだ?」と思うほど絡んでいるときがありませんか?
そのようなポイント(状況)では、
エサは常にユラユラと動き、底を切って漂っていたり沈んだりを繰り返している!
・・・からです。
これは決して海が荒れている場合だけのことではありませんね。
多少の波やヨレ、海流によっても起こり得る状況です。
ハリスは真っ直ぐに伸びている?
投入後に竿をサビきながら、海底をチェックすると必然的にハリスは伸びます。
ですが、その場で仕掛けを止めておくと、水の流れによってエサが漂いながらハリスは伸びたり曲がったりを繰り返します。
もちろん一定の流れがあるようなポイントでは、その場から動かないオモリを中心にエサが流れに引かれハリスが伸びている状態になることもあります。
ハリスが伸びている状態では、当たり前ですがアタリは竿先に出やすく、反対に伸びていない状態では、竿先にアタリはでにくい。
巻きグセのついたハリスは、言ってみれば緩く巻いたバネみたいな状態ですから、アタリが出にくいことは分かると思いますが、クセの付いていることで必要以上に流れを受けたり、餌が回転してハリス絡みのトラブルを起こしやすくなります。
※こういったトラブルが無いようにクセのついたハリスはクセを直すことが大事
ラージスプール(大きいボビン巻き)であればほとんど気にすることはありませんが、通常の小さなボビンですとクセがきつい場合があります。
また、釣行前に準備しておいた作り置きのハリスも巻きグセがついている場合がありますが、その場合は、ハリスを手で伸ばし引っ張ることで簡単に解消できます。
船ハリスは巻きグセが少ないですし、コスパも良くてオススメです。
ハリスの長さによる違いは?
ハリスを長くすると・・・・?
魚の食いという観点から考えると、ハリスは長ければ長いほど違和感を与えにくい。
ハリスを長くすることで、エサは自然に漂い仕掛けの重さや糸の張りで感じる違和感が少なくなるからですね。
ただし、自由に漂うことで仕掛け絡みや、根・海藻に根掛かりしたりとデメリットもあります。
ハリスを短くすると・・・・?
反対にハリスを短くすると、自由度が無くなり魚に与える違和感が多くなるデメリットがありますが、仕掛けは絡みづらく根掛かりがしにくいこと、そして竿先にアタリが出やすくなるメリットもあります。
1ヒロがハリスの長さの基準
一本鈎仕掛けのハリス長さは、1ヒロが基準になります。
1ヒロとは、両手を左右に広げたときの指先までの距離のことですね。
つまり、1.5メートル程度(一般的に)
本来、1ヒロというと、その人の身長とほぼ同じです。
※身長170センチメートル=1.7メートル程度
仮に身長170センチメートルであれば・・・
1ヒロ(1.7m)でハリスをカットして仕掛けを作ると(針・サルカンに結ぶロスを引いて)、完成したハリスが大体1.5メートルということになります。
たまに正確に測ってくる人もいますが、20センチ程度前後しても気にする必要はありません。
というか、大きく影響することはないですね・・・一本鈎仕掛けですから、あくまで感覚的なことです。
釣りに使われる長さの単位
これは補足ですが、
釣りには物差し(メジャー)を使わなくても、簡単に仕掛けを作れる単位があります。
覚えておくと便利ですので、良かったら。
1ヒロ
1.5メートル(両手を左右に広げた長さ)
矢引き
0.8メートル(弓矢を引く姿勢での両手の開きの長さ。半ヒロとも言います)
大矢引き
1.0メートル(弓矢を引く姿勢でいっぱいに開いた長さ)
※個人差がありますから、多少の誤差はあります。
状況によるハリス長さの判断
ハリスの長さは1ヒロが基準になりますが、状況によって長さを調整します。
ハリスを短くする場合(~1メートル)
根掛かりが多い
ハリスが絡まる
アタリが取れない
上記のような場合は、基準である1ヒロよりもハリス長さを短くします。
アタリが取れないときやハリス絡みの酷いときは、1メートル程度まで短くします。
ハリスを短くすることでアタリが取りやすくなり、エサ交換のタイミングをより正確に把握することができます。
ハリスガラミも同様に短くすることで改善されますが、絡みやすいL型天秤からジェット天秤や中通しオモリに変更することも効果的です。
また、根掛かりがひどい釣り場では、ハリスを短くすることでかなり改善されます!
個人的な話ですが、根魚などを狙っているときに0.5メートル以下まで短くすることがあります。
これは根魚にはとても有効な手段ですが、極端に短いとエサが少し浮いたほうが良いスズキなどはほとんど掛からなくデメリットもあります。
ハリスを長くする場合(~2.0メートル)
釣り場が広い
根掛かりやハリス絡みが無い
アタリが止まり食い込みが悪い
上記のように条件が良い場合には、少しでもハリスを長めにするとエサは自然に漂いアピールをして、食い込みの良さを発揮できます。
釣り場が広く投げやすいことや根掛かりやハリス絡みが無いことが条件ではありますが、可能であれば長めに取ることは釣果につながります。
ただし、ハリス長さは2メートルが上限!
それ以上長くしても大きくは変わらないことと、ハリスを長くすればするほど、やはりトラブルが発生しやすくなります。
トラブルなく効率的に釣りをすることが釣果を伸ばす秘訣ですので、可能な範囲でハリスの長さを調整してください。
魚に見えにくいステルスピンクハリス
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