こんなこと、聞いたときありませんか?
「落ち着いているとき(凪)よりも、多少荒れた方が黒鯛(チヌ)は釣りやすい!」
釣り方に関係なく、黒鯛(チヌ)釣りに広く一般論として言われていることですが、なんでもかんでも荒れていれば良いということではありません。
単純に、大荒れのときの釣行はとても危険ですし、なにより釣りにならないケースが多いと思います。
この辺をもう少しリアルに言うと、波っ気があったり、濁りがある方が釣りやすいといったところですね。
経験上で言えば、べた凪ではなかなか釣果を出しにくい・・・というのが本音です。
やはり、多少なりとも波があり水面上を遮断(見えにくくなる)することにより、魚は警戒心を解きやすくなりますし、波により海水の酸素濃度が高くなることによって、魚の活性が上がりやすい要因になります。
波がある、ない、ということだけを言えば、波があることにマイナス部分は感じません。
ただ、濁りというと・・・単純ではありません。
「濁りがあるのに反応が悪いな~」
なんてことがあるのではないでしょうか?
正直、個人的にもハッキリと分からない部分があります。
これは、水温の変化や潮位・潮流、天候や釣り場状況など、魚の活性を決める要因は様々で、見た目や濁りの種類だけで判断ができない部分があるからです。
今回は、見た目の色・・・「濁り」について
☑そもそも濁りは活性を上げるのか?
黒鯛(チヌ)を狙った釣り方のひとつに「ダンゴ釣り」があります。
このダンゴ釣りのダンゴ・・・もともとはヌカや赤土がベースに押し麦や砂、サナギ粉などを配合して作られていました(・・・だそうです)
当初からこのダンゴ釣りをしていた人は、いまでもヌカをベースにしたダンゴ作りをしている人もいるようですが、現在はダンゴ釣り専用の「配合エサ」が発売され、初心者でも簡単にダンゴを作れるようになりました。
このダンゴは、付けエサを守って海底まで運び、時間とともに自然とバラケ、あるいはボラなどの魚に突かれながら崩れ、「匂い」と「濁り」を拡散させます。
この「匂い」と「濁り」がコマセの役割を果たし、本命である黒鯛(チヌ)が集まってくるわけです。
黒鯛(チヌ)は、匂いはもちろんですが、この「濁り」が大好きなんですよね。
この「濁り」は、周辺にいる黒鯛(チヌ)を寄せるのに大きな効果があり、さらには煙幕となる濁りは黒鯛(チヌ)の警戒心を解きます。
この状態は、エサに食い付きやすくなるため、結果的に黒鯛(チヌ)の活性が上がることにつながるわけですね。
☑活性の上がる濁り・下がる濁り
ダンゴ釣りのように、人工的に濁りを作り出し活性をあげる釣り方もありますが、自然に起こる濁りが存在します。
この自然にできる「濁り」がすべて黒鯛(チヌ)の活性を上げるか?というと、そうではありません。
その地域や釣り場の条件によって変化することですが…
例えば、普段の海の色と比べて緑色っぽくなることがありますよね?
これは、視界をまるっきり遮断するような濁りではないのですが、海水全体に色が付いているようなイメージのものです。
大雨の後など、真水が大量に混ざったときに良く見られる状況で、黒鯛(チヌ)だけでなくおそらく海水魚全般に歓迎されない水色だと感じています。
歓迎されない濁りはこれだけではありません。
春先の日本海で良くある現象で、山間部に積もった雪解け水(雪代)が、河川に流れ込み増水することで発生する濁りがあります。
この濁りが歓迎されない理由は、濁りそのものではなく雪解け水(雪代)による水温低下です。
春先の浅場は、いち早く水温が上昇してきますが、雪解け水(雪代)による極端な水温低下は、魚の活性を下げてしまいます。
では、春先の雪解け水(雪代)意外の濁りはどうなんでしょうか?
一般的な河川の増水に伴うものや強風で荒れて発生する「適度な濁り」は、ほとんどの場合歓迎されます。
エサとなる小魚や水中の生物が海へと流れるようなときや、一定の場所に打ち付けられるときは、黒鯛(チヌ)だけでなく他の大型魚も活性が上がるタイミングです。
ここで大切なことは、
「適度な濁り」
という部分ですね。
黒鯛(チヌ)は、かなり濁っていても釣れるのですが、俗にいう「ドロ濁り」?って言うのでしょうかね・・・
個人的には、「ドチャ濁り」ってよく言いますけど、海底の堆積物が巻き上げられたような汚い濁りはNGです!
個人的には、荒れてがっつり濁ってから、丸一日置いたくらいの濁りが、黒鯛釣りに好条件と考えています。
(特に、普段警戒心の強い良型が期待できます)
ぶっこみ釣りや投げ釣りで黒鯛を狙う場合は、多少の時間を置くことで浮遊する海藻やゴミが無くなることでトラブルが減ります。
感覚で言うと、しっかりと濁ってはいますが、落ち着いた感じ・・・
ってなかなか伝わらないですかね?
少~し釣り辛いタイミングの方が釣果が良いですよ!
ってことだけ言っておきますね。
ちなみに、ダンゴ釣りは濁りが無い方が良いですね。
今までの説明に反していますが・・・
これは、人工的に濁りを作り出す釣り方なので、澄んでいる方がより目立つということです。
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