釣り用語として使われる「糸鳴り」という言葉を、聞いたことはありますか。
糸鳴りは、ルアーフィッシングの世界でも使われる言葉で、 一般的には次のような意味で使われています。
PEラインを使用し、巻き取り時にガイドリングと擦れることで生じる独特の音。 または、重たいシンカーを使い、ロッドを素早くあおった際に、 ラインが水面を切って発生する音や波動。
これらは集魚効果を狙ったテクニックとして捉えられ、 「糸鳴り音を使う釣り」として紹介されることがあります。
ただ、ここで触れたい糸鳴りは、 そうしたテクニックとしての糸鳴りとは、少し違います。
個人的に好きな糸鳴りは、 大型の魚が掛かったときや、 強い力で道糸を引かれたときに起きる、あの音です。
道糸が張り詰め、 限界近くまでテンションが掛かったときに、 ラインそのものが鳴る。
言葉で表すと、
「フィーーーーーン」 「キーーーーーン」
そんな甲高い音になります。
言葉だけでは伝わりにくいのですが、 夜釣りなど、周囲が静かな状況では、 この音が釣り場に響くことがあります。
アワセを入れた直後、 張り詰めた道糸が鳴り始める。
この糸鳴りが起きた瞬間、 自然と集中力が一段上がります。
正直なところ、 少し背筋が伸びるような感覚です。
糸鳴りが必ずしも「大物」を意味するわけではありません。
ただ、 ラインに相当な負荷が掛かっていることだけは確かで、 魚が簡単に寄ってくる状況ではない。
そうした場面で聞こえる糸鳴りには、 釣り人の気持ちを引き締める力があります。
「これは、ちょっと違うかもしれない」
そう感じさせてくれる音だからこそ、 糸鳴りは、釣りをしていて特別な瞬間のひとつだと思っています。

