日本国内では、沖縄県が他の地域と比べて多く発生しているシガテラ毒。
沖縄県での1997年~2006年の発生件数は33件、患者総数は103名と報告されていて、このほかにも確認がされていない未報告の患者がいると考えられています。
過去にイシガキダイを原因とするシガテラ毒が報告されている地域には、宮崎県、鹿児島県、千葉県、大阪府、三重県、神奈川県など、九州だけでなく本州までも発生し問題となっています。
シガテラ毒
シガテラは、熱帯の海洋に生息するプランクトンが作り出す毒素に汚染された魚介類を食べることで発生する食中毒のことです。
長い間、魚介類の毒化は不明でしたが、1977年に東北大学などの研究チームが、毒素を蓄積した魚介類(特に大型魚)を人が食べることが原因と明らかにしたそうです。
毒素を保有している小魚を大型魚が捕食する食物連鎖による生物濃縮が原因であるために、食物連鎖の上位である大型の肉食魚(6ポンド=2,722グラム以上)が危険とされ、とくに内臓と消化管内容物に毒素が多く含まれています。
ただし、毒の有無は地域差や個体差があるとされていて、必ずしもシガテラ毒を持っているわけではありません。
シガテラ毒が引き起こす中毒症状
中毒症状は、一般に1~8時間程度で発症するとされていますが、2日以上の例もあるそうです。
消化器系の症状としては、吐き気や下痢、腹痛。神経系の症状としては、不整脈、血圧低下、除脈、めまい、頭痛、筋肉の痛み、麻痺、感覚異常で、この中毒症状の一番の特徴である冷たさに対する感覚がドライアイスに接触し凍傷にかかったかのような感覚になる温度感覚異常(ドライアイスセンセーション)といった神経系の障害があります。
治療方法
治療法は確立されてなく、症状の回復は軽症で1週間程度、重症例になると数か月から1年以上かかると言われていて、国内での死亡例はありませんが、海外ではわずかに報告されています。
保有の可能性がある有毒種
シガテラ毒を保有している魚は、特にカリブ海やインド洋、太平洋などの温帯域、日本では主に沖縄地方のサンゴ礁で捕獲された魚に多く見られ、その可能性があるとされる魚は400種類以上と言われています。
もちろん可能性があるということで、当てはまる全ての魚が有毒であるわけではありませんが、沖縄県などの温暖な地域で食事をされる場合は覚えておいておきましょう。
日本で中毒原因となる有毒種は、主にバラフエダイ、イッテンフエダイ、イトヒキフエダイ、バラハタ、アカマダラハタ、オオアオノメアラ、アズキハタ、イシガキダイ、ヒラマサなどです。
国内におけるシガテラ毒による食中毒、及び有毒種の画像に関しては、厚生労働省の自然毒のリスクプロファイル(シガテラ毒)をご覧ください。
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