それなりの釣り歴がある知り合いとライン(釣り糸)の話をしていたところ、 「それ、結構多くの人が誤解してるかも…」と感じる場面がありました。
意外と知られていない、あるいは思い込みで語られがちな部分なので、 今回はライン(釣り糸)の“感度”について整理してみます。
ライン感度で勘違いされやすい3つの事実
今回のテーマは、次の3点です。
- ① 高感度の代名詞「PEライン」は、条件次第で最も感度が悪くなる
- ② 比重が軽いライン=感度が良い、は間違い
- ③ 細いラインほど感度が良い、という思い込み
「え?」と思った方は、ぜひ読み進めてみてください。
① 高感度の代名詞「PEライン」は、実は扱いが難しい
PEラインといえば、
- 感度が良い
- 伸びが少ない
- 強い
というイメージを持っている方が多いと思います。
この認識自体は間違いではありません。 ただし、ある条件を満たさないと“感度の良さ”は活かせません。
PEラインは伸びが非常に少ないため、
= 張っている状態では振動をよく伝える
という特性を持っています。
感度の仕組みは「糸電話」と同じ
ラインの感度は、よく「糸電話」に例えられます。
糸電話は、
振動 → 糸を通して伝達 → 音として認識
という仕組みです。
このとき重要なのは、糸がピンと張られていること。
糸がたるんでいると、相手の声はほとんど聞こえません。
これは釣り糸でもまったく同じで、
ラインに適度なテンションがかかっていないと、アタリは伝わらない
ということになります。
PEラインでアタリが分からない理由
例えば、アジングやメバリングのような軽いリグを使う釣りでは、 フォール中にラインテンションをかけるとルアーが手前に寄ってしまいます。
そのため、多くの場合ラインを緩めた状態で操作します。
この状態では、PEラインの「伸びない=高感度」という特性は活かせません。
「アタリが分からなかったけど、実は食っていた」 という経験がある人は、まさにこのパターンです。
上級者は、
- ラインスラッグ(糸フケ)を管理する
- ラインの止まり・跳ねを見る
- 張らず緩めずの状態を作る
といった技術でPEラインの感度を引き出しています。
一方で、初心者にとってはナイロンラインの方がアタリを逃しにくい場面も多いのが事実です。
② 比重が軽いライン=感度が良い、は誤解
「重たいラインはアタリが鈍くなる」 こんな話を聞いたことはありませんか?
これは完全な誤解です。
感度の良さを決めるのは、 比重ではなく“伸びの少なさ”です。
PEラインが高感度なのは、軽いからではなく“伸びない”から。
実釣では「重たいライン」が有利になる理由

ラインの比重を見てみると、
- PEライン:0.97(浮く)
- ナイロン:1.14
- フロロカーボン:1.78(沈む)
水中では、
- 軽いライン → 流れや風になびきやすい
- 重たいライン → 自重で垂れ下がりやすい
という違いが生まれます。
ラインは張ることで振動を伝えやすくなるため、
条件次第では、ナイロンやフロロの方がアタリを取りやすくなる
という現象が起こります。
もちろん、常にテンションを保てる釣りや高い操作技術がある場合は、 PEラインの感度は最強です。
③ 細いラインほど感度が良い、は思い込み
「細いラインの方が感度が良い」 これは半分正解で、半分間違いです。
確かに、振動の伝達だけを見ると細い方が有利です。
しかし、実釣で問題になるのは初期伸度です。
同じナイロンラインでも、
- 細いライン → 小さな力ですぐ伸びる
- 太いライン → ある程度の力がかかるまで伸びない
という違いがあります。
魚のアタリは、 ラインがまだ伸びていない段階で発生します。
細いラインはアタリを伸びで吸収し、太いラインは振動を残す
このため、条件次第では太いラインの方がアタリが分かりやすいこともあります。
まとめ:感度は「ラインの特性×使い方」で決まる
感度の良し悪しは、
- 素材
- 伸び
- 比重
- 太さ
- テンション管理
これらが組み合わさって初めて決まるものです。
「PE=高感度」「細い=正解」と決めつけず、 釣り方や状況に合わせて選ぶことが大切ですよ。
PEラインに比重を持たせ、ラインスラッグを低減することでアタリを感じやすくなる高比重(1.4)PEラインです。
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