「アジって、最近ちょっとデカくない?」
釣り場で、
そんな話を聞くことが増えてきました。
昔から、
アジは回遊魚で、
大きいサイズは「運が良ければ釣れる魚」。
そんなイメージを持っている人も多いと思います。
ところが近年、
各地で50cmを超えるマアジ、
いわゆる「テラアジ」の存在が確認されるようになってきました。
「たまたまデカかっただけでしょ」
「相当な年寄りのアジじゃない?」
そう思ってしまいがちですが、
研究者の調査や現場の話を聞いていくと、
どうもそれだけではなさそうです。
ギガアジは「長生き」だから大きいわけではない
一般的にマアジは、
成長しても30cm台半ばほどと言われています。
また、
魚に限らず「大きい=年を取っている」
そう考えるのも自然なことです。
ところが研究では、
40cmを超えるような大きなアジの中に、
それほど年を取っていない個体が含まれていることが分かってきました。
つまりギガアジは、
長い時間をかけて育った魚というより、
短い期間で一気に大きくなった魚
である可能性が高い、ということです。
クロアジとキアジ、2つのタイプ
ここで出てくるのが、
マアジの行動タイプの違いです。
マアジには大きく分けて、
・沖合を広く回遊するタイプ(クロアジ)
・沿岸に居着いて生活するタイプ(キアジ)
がいると言われています。
クロアジは群れで回遊し、
潮や時合いによって一気に姿を見せます。
一方のキアジは、
同じエリアに留まり、
比較的安定した環境で生活します。
注目されている「クロアジ定着化仮説」
研究者が注目しているのが、
このクロアジが沿岸に定着してしまうケースです。
本来は回遊するクロアジが、
何らかの理由で沿岸に留まり続けた場合、
・エサが安定して手に入り
・長距離を泳ぐ必要がなくなり
・成長にエネルギーを使える
という条件がそろいます。
その結果、
普通とは違うスピードで成長した個体が生まれる。
それがギガアジではないか、
というのが「クロアジ定着化仮説」です。
実は、昔からいたという話
この話は、
最近になって急に出てきたものではないようです。
以前、釣り船の船長と
ギガアジの話をしたことがあります。
その時に言われたのが、
「今はじまったことじゃないよ。
昔から○○にはデカいアジが居着いてる。
ただ、条件が合わないとなかなか釣れないんだ」
という言葉でした。
この話をそのまま受け取るなら、
アジの行動が急に変わったというより、
もともと存在していたものが、
少しずつ表に出てきただけなのかもしれません。
アジが変わったのか、環境が変わったのか
温暖化や海流の変化によってエサが増え、
アジにとって居心地のいい環境が広がっている。
その結果、
デカく育つアジが目につくようになった。
そう考えると、
ギガアジ・テラアジの存在も不思議ではなくなってきます。
「アジ、なんか強大化してるらしいですよ」
そんな話を思い出しながら、
次に海を眺めてみる。
それだけで、
いつもの釣りが、
ちょっと面白くなるかもしれません。
近年、良型のアジが釣れることで人気が高まる「ぶっこみアジ釣り」
沖の離れたポイントに潜むギガアジを狙い撃ちするなら、参考にしてください。
