以前、真鯛の投げ釣りは「遠投が有利」という記事を書きました。
実際、マダイを狙う投げ釣り師の多くは、 沖を狙う遠投を好む傾向があります。
ただ、個人的な釣り方は少し違って遠投をあまりせず、近場を丁寧に狙う「近投」が主体です。
釣り場の環境によって結果は変わるので、 どちらが正解とは言い切れません。
それでも、近投で十分に釣れる釣り場は、 意外と多いと感じています。
条件が合えば、むしろ近投のほうが釣りやすい。 そんな場面も、確かに存在します。
投げ釣りで狙う真鯛は、 沿岸部の岩礁帯や、根が点在する砂地などが好ポイントとされています。
理由は単純で、 真鯛が捕食するエサが豊富だからです。
産卵前後や、いわゆる荒食いの時期になると、 真鯛はこうした餌場を求めて浅場へ回遊してきます。
このため、沖の回遊ルートを遠投で狙わなくても、 近投で十分に射程に入るケースは少なくありません。
つまり、遠投ができなくても、 真鯛は普通に釣れるということです。
ただし、それには理由があります。
お腹が空いた魚ほど釣れない?
魚は空腹であれば、 積極的にエサを追うように思われがちです。
しかし、実際は少し違います。
餌付けに関する調査では、 空腹の魚ほど警戒心が強く、 エサに簡単には寄り付かないという結果が出ています。
ある程度エサを食べた後のほうが、 警戒心が薄れ、貪欲に捕食する傾向が見られるのです。
これは自然界でも確認されており、 カレイの群れを調べた例では、
空腹の個体が多い群れは反応が鈍く、 エサを捕食している群れほど、 全体的に食いが立つことが分かっています。
魚は「空腹だから釣れる」のではなく、 すでにエサを食べている状態のほうが釣れやすい。
これが、ひとつの答えです。
撒き餌は多く撒け、食うほど魚は良く釣れる
これは、漁師の間で知られている言葉です。
真鯛も、必ずしも例外ではないと考えられています。
エサの豊富な餌場に集まった真鯛は、すでに捕食行動に入っていることが多く、
その状況では警戒心がやや薄れ、エサに対して反応しやすくなる傾向があります。
食いが立っているときには、
針ごとエサを飲み込むようなケースが見られることもあります。
こうした状態の真鯛が近場に差している場合、
必ずしも遠投にこだわらなくても、十分に成立する場面があります。
遠投で実績のある釣り場であっても、
条件が重なれば、近投で結果が出ることも珍しくありません。
結局のところ、重要なのは距離そのものではなく、
「そのとき、魚の食いが立っているかどうか」。
そこがうまく噛み合った場面では、
近投が有利に働くこともあります。
真鯛の投げ釣りは、距離や釣り方だけでなく、 そのときの状況や魚の状態をどう捉えるかで、見え方が変わってきます。
こうした考え方も含めて、 投げ釣りで狙う真鯛については、こちらにまとめています。

