魚を掛ける為に必要な合わせ。
良く知られるところで言えば、カワハギに代表される早合わせやヒラメに代表される遅合わせがあります。
対象魚や釣り方によって合わせ方は変化し、同じ魚・釣り方でもアタリ方により釣り人が対応していく部分です。
大物投げ釣りでは、小型の魚と違い口の中が硬い場合が多く、合わせはしっかりと行わなければなりませんが、基本的には置き竿でアタリを待つため、アタリを取っての早合わせはまずありません。
ここで極めて重要なのは向こうアワセです。
先回の記事で、大物投げ釣りの道糸をナイロンにすることで釣果がアップする記事を書きましたが、PEラインの特性を活かしながら同じ効果を得るにはどうしたらいいのか?という部分に触れてみます。
PEライン
メリットとしては以下の内容です。
①耐久性が高い
通常のラインでの特徴である紫外線による劣化が少なく、高耐久のラインです。
また、フロロカーボンやナイロンなどのようにスプールに巻いた時の糸つぶれや巻きグセなどが無く、ある程度使用したPEラインは新たなスプールに巻き直せば(道糸の上と下をひっくり返す)ほぼ新品の状態で使用することができます。
②遠投性が向上
直線引張強度がめちゃくちゃ強い、その強い分だけ細い糸が使用できます。
これにより抵抗が減り、遠投性がグンっと向上します。
投げ釣りにおいてはとても重要な部分ですので、現在の投げ釣りにおいてはPEラインが主流となっています。
③感度が高い
低伸度(伸びがほぼゼロ)なので、超高感度です。
これにより置き竿時の小さなアタリ、もしくは遠投したときの海底のサーチ能力が高く、この特性は大きなメリットになります。
デメリットは以下のとおりです。
①キズに弱い
多くの釣りで使用される優れたラインですが、万能ではない一番の理由が、キズに対して極端に弱いことです。
ルアーやジギングなどのリーダーシステムはPEの為に生まれたものです(もし、引張強度が強く、キズにも強ければ、リーダーを組む必要ありません)
引張強度は極めて高いですが、キズが入るといとも簡単に切れてしまいます。
リーダーシステムは、このデメリットを補うための一つの手段でもあります。
②絡みやすい
各メーカーの努力、改良により張りのあるPEラインも増えてきましたが、このラインの特徴でもあるしなやかさ(腰のないこと)が弱点となりガイド絡みやそれに気付かずにキャストした時の破断、糸ヨレによる結びなどが発生してしまいます。
使用に慣れた方はあまり問題になりませんが、夜間となるとトラブルの一つになりやすいのも事実。
③魚の乗りが悪い、バラシやすい
メリットでもある低伸度が影響して、吸い込むようにエサを食べる魚に対し食い込みが悪くなります。
また柔軟性が無いためにやり取りの最中に魚をバラシやすくなる点も挙げられます(これは技術的な部分もあります)
このようにメリットとデメリットがある中で、先回お話したナイロンの特性を持てないか?(アタリの際の向こうアワセの点)といった部分を以前から考えていました。
過去に試したことは、
穂先の柔らかい竿を使用すること、
力糸をナイロン仕様に変更すること、
などです。
穂先の柔らかい竿を使用すると、
結果的にオモリ負荷が下がりPEラインの特徴である遠投性が低下してしまうため却下。
力糸をナイロン仕様に変更した際は、
それほど効果を感じなかったことが、ある意味中途半端で却下。
それとは別に多少の遠投性を犠牲にしてしまいますが、
海草天秤の砂ズリをクッションゴムに変えることで効果を得ることができました。
アタリの出方もさほど変わる感じではなく(製品により伸度が違いますので誤差はございますが)十分なメリットを感じました。
これによりPEラインの特性を保ちつつ向こうアワセの効果を高めることができますし、柔軟さが増しバラシを減らすこともできます。
クッションゴムを使用するにあたって気を付けなければいけない点は、
劣化がはっきりと分からないという点です。
いつまで使用して良いのかまたは、交換のタイミングが不透明ですので、大物を逃がさないよう早めに交換することが大切だと思います。
PEラインをメインに使用している方で、アタリが止まってしまう経験をされている場合は、天秤の砂ズリをクッションゴムに変えるだけですので、一度試してみる価値アリです。
また、投げ竿のオモリ負荷が30号程度の投げ竿を使用されている場合は、穂先が硬いため置き竿時にタメが効かずラインが出やすいので、通常よりもドラグを少し締め気味(ドラグを完全フリーよりややきつく設定)にしておくと効果を発揮しやすいポイントです。
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