置き竿で魚を狙っていると、アタリがあっても魚を手にすることができないこと・・・ありますよね?
これには、いくつかの要因が関係しています。
大きな要因としては、
「竿先の硬さ」
「ラインの種類」
「竿の角度」
「天秤のタイプ」
「ドラグフリー設定」
もちろんこれだけではなく、「エサの種類」や「付け方」、「釣り針の種類」や「その大きさ」など、他にも様々なものがありますが・・・
今回は、
「食い込み」と「針掛かり」の相反する要因(5つ)
に関して考えてみたいと思います。
☑前提として・・・
投げ釣り(ぶっこみ釣り)の置き竿スタイルでは、竿先でアタリをとり、基本的には向こう合わせとなります。
魚に違和感を与えないようにテンションを緩める「食い込み」と、
魚が喰ってきたときにテンションを掛けての「針掛かり」は、
どちらも重要なのですが、両立はしません。
おそらく、バランスを取るか?どちらかに寄せるか?の選択になります。
※ここからは、あくまで個人的な意見です。
竿先の硬さ
【竿先が柔らかい】
食い込み ◎ 針掛かり ×
【竿先が硬い】
食い込み △ 針掛かり 〇
☑食い込み
食い込みを重視するのであれば、竿先は柔らかいもの!
魚がエサを喰って道糸を引いたとき、竿先がスムーズに曲がる竿は、違和感を与えにくい!と考えられます。
また、竿先が柔らかい竿は元に戻ろうとする力も小さいので、魚の喰いが良くなるというわけですね。
通常、引きの強い大きな魚に対しては、反発力の強い強靭な竿を使うのが一般的なイメージです。
が、石鯛釣り用の竿をイメージしてもらうと、食い込みという部分を重視していることが分かると思います。
竿先は柔軟で食い込みが良く、トルクのある胴で魚を浮かせる胴調子(スローテーパー)が使われています。
☑針掛かり
針掛かりを重視するのであれば、竿先は硬いもの!
キス釣り(シロギス)で使用される「固定式天秤」は、魚がエサをくわえて逃げようとすると、天秤のアームの反発力で自動的に針掛かりする仕組みです。
これと同じ原理が竿先でも起きていて、反発力で針掛かりが期待できます。
一般的に竿先が硬いものは、投げ釣りやジギングなどキャスティング(遠投性)を重視している場合がほとんどで、針掛かりを考慮したものではありませんが・・・
ラインの種類
【ナイロンライン】
食い込み 〇 針掛かり ◎
【PEライン】
食い込み × 針掛かり 〇
☑食い込み
熟練者の中には、こだわってナイロンハリスを選択する人も多いのですが、これはナイロンの伸びを使って違和感を減らそうと考えるからです。
また、水の動き(流れ)などで餌に動き(誘い)が出ることやエサを吸い込む魚に対して喰わせやすくする効果もあります。
一般的に、フロロカーボンハリスよりもナイロンハリスの方が柔らかいことから得られるものです。
反対に、ナイロンに比べて伸びが小さいPEラインは、魚に違和感を与えやすい!となるので、ナイロンよりも食い込みが劣ると考えます。
※個人的には、PEラインでアタリが止まることが多かったので、現在はナイロンがメイン
☑針掛かり
PEラインは、魚がエサをくわえて道糸を引いたとき、伸びが少ないので針先が掛かりやすく、またより刺さりやすくなります。
道糸だけで考えると、初期の段階で一番効果が高いラインとなりますが、魚が泳ぎ続け道糸にテンションを掛け続けないと釣り針は外れやすくなります。
反対に、ナイロンラインは初期の段階では針掛かりがしにくいですが、道糸を大きく引くことで効果が高まります。
個人的には、向こう合わせ(針掛かり)の効果が一番のメリットと考えています。
伸びるナイロンの最大のメリットは、コチラの記事でご確認ください。
竿の角度
【竿先を高く構える】
食い込み 〇(△) 針掛かり 〇(△)
【竿先を低く構える】
食い込み ×(◎) 針掛かり ◎(×)
※()内は、ドラグフリー釣法 ドラグロックの状態とドラグフリーの状態では、得られる効果が違うため
竿の角度(竿先の高さ)は、一般的な置き方であれば大きく変わるものではありません。
竿先を高く構える人もいれば、低く構える人もいて、特別なこだわりが無ければ釣り人のクセのようなものだと思います。
ここでは、極端に竿先を高く、低くしたときの考え方を紹介しています。
☑食い込み
ドラグロック
竿先を高く構えた場合、穂先のふり幅があり食い込みが良くなります
同時に、穂先のふり幅があるので、アタリも取りやすくなるメリットもありますね。
反対に、竿先を低く構えた場合は、竿先の柔軟さが失われるため、食い込みが非常に悪くなります。
ドラグフリー
竿先を高く構えると、竿先と道糸の角度が鋭角になるので、ガイドの抵抗が発生してスムーズに道糸を送れず、食い込みはやや悪くなります。
こちらの場合も、穂先のふり幅がありますから、アタリは取りやすくなります。
反対に、竿先を低く構えた場合は、ガイド抵抗が少なくなり道糸をスムーズに送ることができるので、食い込みは非常に良くなります。
魚に違和感を与えにくい・・・というところでは、一番効果的な方法です。
☑針掛かり
ドラグロック
竿先を高く構えた場合、通常の角度(竿先と道糸の角度は、直角が基本と考える)とほとんど変わることなく、針掛かりは良い状態となります。
ただし、竿先を極端に高く構えることで、バランスが悪くなり竿が倒れたり、竿がズレることで道糸にテンションが掛からず針掛かりが悪くなることもありますから、注意が必要です。
反対に、竿先を低く構えた場合は、アタリと同時に道糸のテンションがMAXになりますから、針掛かりは非常に良い状態になります。
ただし、魚のサイズが大きいと、竿が飛ぶ可能性が高くなりますから、この場合は尻手ロープを使うことをオススメします。
※尻手ロープの使い方は、↓ドラグフリー設定↓で紹介(動画)しています。
ドラグフリー
竿先を高く構えると、多少のガイド抵抗が発生するものの、針掛かりはあまり期待ができない状態です。
反対に、竿先を低く構えると、ガイド抵抗が少なくなり(ユルユルの状態)、道糸にテンションを掛けることができないので、針掛かりは期待できません。
ただ、こう書いてしまうと、「ドラグフリー釣法は、良くないんだ・・・」と、感じてしまう人がいるかもしれませんが、ドラグフリー釣法は、そもそも魚に与える違和感を少なくする釣法で、針掛かりを期待するものではありません。
※突然の引き込みで竿を海中に持っていかれないようにする効果もあります
また、魚に対する違和感を減らすことで、アタリが止まるまでの時間を伸ばすことができるので、合わせまでの時間稼ぎにもなりますね。
ちなみに、竿の角度をこだわると、竿の高さと意味合いがちょっと変わってきます(ここまでこだわる必要もありませんが・・・)
例えば、
いつも同じ角度で釣りをしているつもりでも、釣り場が変われば・・・実は角度が変わっているんですよね?
気になる人は、コチラの記事をご確認ください。
天秤のタイプ
【固定式天秤】
食い込み △ 針掛かり ◎
【遊動式天秤】
食い込み ◎ 針掛かり ×
【半遊動式天秤】
食い込み 〇 針掛かり 〇
☑固定式天秤
竿の硬さの説明でも書きましたが、
キス釣り(シロギス)で使用される「固定式天秤」は、魚がエサをくわえて逃げようとすると、天秤のアームの反発力で自動的に針掛かりする仕組みです。
なので、固定式天秤は針掛かりが良くなります。
また、魚が走っているときは、天秤(オモリ)をぶら下げた状態になっていますから、この間は針が外れにくい状態と考えられます。
もうお分かりだと思いますが、その反面、違和感を与えやすく食い込みは悪くなる!という考え方になりますね。
☑遊動式天秤
遊動式天秤は、魚に道糸が引かれるとドラグが逆転して、送り出す仕組みになっています。
テンションが掛かると道糸を送り出し、テンションを下げるので、食い込みが非常に良くなります。
この遊動式天秤は、ドラグフリー釣法で最大の効果を発揮できます。
その反面、道糸にテンションを掛けることができないので、針掛かりは悪くなる!という考え方になりますね。
☑半遊動式天秤
前アタリの段階では、遊動式と同じように道糸を送り、ある程度引っ張られると固定式と同じ状態になるのが半遊動式天秤です。
個人的には、バランスタイプ(良いとこ取り?)と比較的良い評価をしています。
初心者やどちらを優先すれば良いのか?が判断できない状況で、とりあえずコレ!もありですね。
ドラグフリー設定
【完全ドラグフリー】
食い込み ◎ 針掛かり ×
【ややドラグフリー】
食い込み 〇 針掛かり △
【完全ロック 】
食い込み × 針掛かり ◎
ドラグフリー釣法とは、
リールのスプールが逆転してライン(道糸)を出してくれる機能のことです。
竿立てに掛けて置き竿で狙う投げ釣り(ぶっこみ釣り)において、大きなアタリやいきなり走るようなアタリがあったときに、スプールが逆転してトラブルを回避してくれます。
【ドラグフリー釣法】で注意したい5つのこと!ありがちなトラブル?ドラグフリーとは、魚のアタリに対してスプールが逆転し、道糸(ライン)を送り出すことで、竿を海に持っていかれるトラブルに対応、さらには道糸(ライン)を送ることで違和感を減らし食い込みを良くする釣り方のことです。そんなドラグフリー釣法では、注意したいトラブルが5つありますので、そこら辺を紹介します。
ドラグフリー釣法は、竿を何本も並べる置き竿の定番スタイルです。
強いアタリがあると、スプールが逆転しドラグ音で釣り人にアタリを知らせてくれます。
このときのドラグ設定は、完全フリー(ユルユル)にすると、テンションが掛からず魚に違和感を与えづらい!ですね。
その反面、テンションが掛からないので、針掛かりは期待できません。
ややフリー(少し緩める)は、完全フリーに比べると食い込みはやや劣りますが、多少のテンションが掛かり針掛かりはやや良くなります。
これを期待して、完全フリーにしないで竿尻が浮かない程度にドラグを調整することは、送り込み(食い込み)と針掛かり(向こう合わせ)のバランスをとっていることになります。
完全ロックは、アタリと同時に道糸のテンションがMAXになるので、当然のことながら食い込みの期待は低くなります。
ただし、一気にテンションを掛けることができるので、針掛かりはかなり良くなります。
この完全ロックは、魚がエサを喰った後、根に走られないようにする目的もあります。
この場合は、尻手ロープを繋いでアタリを待ちます。
投げ釣りにおいて、尻手ロープは大きなアタリで竿が飛ばされないようにするアイテムです。
分からない人は、コチラの動画で確認ができます。
個人的な考えです
個人的な考えではありますが、
「食い込み」と「針掛かり」に関して、ご理解いただけましたか?
例えば、
竿先にアタリがあっても、すぐに止まってしまう・・・
こんなときは、食い込みを重視した考え方を!
反対に、
竿先にガンガンとアタリが続くのに、針が掛かってくれない・・・
なんてときは、針掛かりを重視した考え方を確認してみてください。
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