その道の名人は、自分の道具を大切に使うものです。
ですが、釣りには「大切に使ってはいけないもの」があります。
当たり前のことなのに、意外と気づいていない人が多い――そんな印象を持っています。
……という自分も、実は以前、友人に教えられた一人です(笑)。
釣りで、大切に使ってはいけないものとは?
かなり前の話ですが、バス釣りをしていたときに、友人からこんな質問をされました。
「タックルの中で、一番こだわりたいものって何?」
そのときの僕は相当悩んで、「ライン」と答えました。
ラインは命綱。ここをおろそかにすると、大きな魚は獲れない――そう思っていたからです。
ですが、今思えば少しおかしな考え方でした。
そこで「投げ釣り」を例に、整理してみましょう。
「投げ釣りで、一番こだわりたいものは何か?」
投げ釣りは、沖の遠くにいる魚を狙う釣りです。まず必要なのは、仕掛けを遠くへ飛ばせること。
・遠投性能の高い竿(ロッド)
・大口径スプールと十分な糸巻き量を持つリール
・空気抵抗が少ない細いライン(道糸)
・切れを防ぐための力糸
・魚を確実に掛ける針(フック)
・根ズレに強いハリス
他にも感度やドラグ性能など、挙げればキリがありません。
どれか一つでも欠けていれば、釣りは成立しにくくなります。
つまり、すべてが大切。 だからこそ「一番はどれ?」という質問自体が、少し変なのです。
「じゃあ、お前は何に一番こだわる?」
そう聞き返されたとき、友人はこう答えました。
「俺はフック(釣り針)。タックルが全部普通なら、魚を掛ける針に一番こだわるべきだろ?」
この言葉を聞いて、ようやく腑に落ちました。
要するに、釣りをどこからスタートさせるかという話だったのです。
思い返せば、僕たちがバス釣りを始めた頃。
新作ルアーやワーム、初めてのベイトタックルに夢中になっていた中で、その友人はいち早くフックシャープナーを買っていました。
僕が「喰ったのに乗らなかった……」と嘆くと、
「針先、甘くなってない?」
そう言って、シャープナーを差し出してくれたのを覚えています。
当時の僕は、根掛かりで切れない限り同じフックを使い続け、錆びていることも珍しくありませんでした。
ですが、針先を研いだ途端、驚くほど魚が掛かる。
実際に釣れるからこそ、「確かに……」と妙に納得したのです。
針先(フックポイント)の重要性

初心者の方によくあるのが、
「なぜ、あの人ばかり釣れるんだろう?」
という疑問です。
周りが釣れていると、「何が違うのか」を考えますよね。
ただ、その原因をテクニックや高価なタックル、ルアーのせいにしてしまう人がとても多いように感じます。
大前提として、どんな名人でも、魚がいなければ釣れません。
逆に言えば、魚がいるから周りの人も釣れているのです。
実は初心者の場合、魚が喰っていてもアタリに気づいていないケースが少なくありません。
そんなとき、針先を改善するだけで、それまで逃していたチャンスを釣果に変えられることがあります。
魚が針先に「触れただけ」で掛かるフックは、釣り人にチャンスを与えてくれます。
コンスタントに釣る人は、技術もあるでしょうし、良いタックルを使っているかもしれません。
でも何より、魚を掛ける最初の一点――針先を大切にしているのだと思います。
針先は、砂や石、岩、コンクリートなどに触れるだけで、すぐに甘くなってしまいます。
甘くなった針先は、チャンスをものにしてくれません。
大事に使い続けるのではなく、新しいものに交換しましょう。
交換までは……という方は、フックシャープナーを使うのも一つの方法です。
※トリプルフックは三面研ぎが可能です。一般的な一本針については、下の記事をご覧ください。
針先の確認方法
最後に、針先(フックポイント)の簡単な確認方法を紹介します。
針先を爪に当て、軽く横に滑らせてみてください。
力は必要ありません。
新品の針であれば、ほとんど滑らず引っ掛かります。
さらに自己責任にはなりますが、新品の針を皮膚に軽く当てると、わずかに触れただけでも「クッ」と引っ掛かる感覚が分かるはずです。
一方、針先が甘くなった針は、力を入れないと刺さりません。
実際に比べてみると、その差はかなり大きいですよ。
とても簡単に釣り針を研ぐことができます。
釣り針の基本の5種類を知りたい人はコチラ
よかったら、ぜひ覗いてみてください。


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